2018年05月07日
立山縦走

残雪期の立山連峰縦走へ。
北アルプス3000m級の山の最北端。
ここは厳冬期では国内有数の積雪を誇り、雪崩の巣窟で立ちいることができない地。
GWには雪も締まってリスクが減少するとともに、
初夏にもかかわらず雪山登山が楽しめる山だ。

仕事を終えて夜9に出発。東京から5時間、夜中の1時に扇沢の市営駐車場に到着。
ここは無料なのでこの時間でもあと数台しか空きがない。
上段にある駐車場は1日1000円。4日間停めるので断然こちらがお勧め。
車内で弁当を食べて、寝酒をのんで就寝。
明日は黒部立山アルペンルートを通ってベースキャンプの雷鳥沢キャンプ場へ。

翌朝。
17㎏のバックパックを担いで出発。

駐車場から扇沢駅までは徒歩5分。
早朝にもかかわらず駅前には観光バスが。
さすが日本有数の観光地だけある。

駐車場から見える雪を纏った山は標高2678mの赤沢岳。
目的の立山はその奥に鎮座しているがここからは見えない。

ここからトロリーバスで黒部第四ダム(通称クロヨン)へ。
9割が観光客。その内の半分はインバウンドって感じだ。

朝9時の便で出発。
赤沢岳をくぐって黒部に抜ける。


クロヨンダムに到着。
ここに来ると石原裕次郎主演の「黒部の太陽」を思い出す。
171人の殉職者と7年の歳月をかけて作られたダムだ。
人の力とは凄いものだとつくずく思う。
ここまで来ると立山が見えてくる。
明日はあの稜線を右から左へ縦走する。
期待と不安が交差するが、天候が味方してくれているのが助かる。
立山は日本海にもっとも近い3000mの山なので、
天候が荒れることでも有名な山だ。

ここからはケーブルカーで、もうひとつ山を抜けて行く。
稜線よりこの急な階段のほうがバックパックを担いでいるとよろめいて怖い。
バランス崩したら下まで落ちるな。ここで滑落?したら登山を目指す者として恥ずかしい。

さらにロープウェー、トロリーバスを乗り継いでようやく室堂に到着。
往復で9000円ちょっと。
高いような安いような…

ここまでは観光客だらけ。
小学校低学年の時に家族旅行で来て以来の懐かしい景色だ。

みくりが池、ここ地獄谷を通過して雷鳥沢キャンプ場まで1時間30分。
アップダウンがあり結構しんどい。

ようやくベースキャンプ地が見えてきた。
帰りのこの登り返しが疲れた体には実は一番しんどい。


どなたかが作った雪壁のある場所に設営。
風よけになっていい感じ。

キャンプ場を散策。
標高2300m越えのBCまでタープを持ち込んでる人は初めて見た。
このご夫婦は外でずーと宴会してたね。

こちらの人は鯉のぼりが。
そうGWはこどもの日でもあるからね。
涸沢ヒュッテでもGWにはデカい鯉のぼりがたってたな。

ノースフェイスのテント、かっけー!
こちらはカップルで、ルートの相談にのってもらいました。

トイレ。
まだこんなに積もってます。

では、お待ちかねの温泉へ。
ここの魅力はBCに温泉があること。
この写真の先にある雷鳥沢ヒュッテまで10分歩けば日帰り温泉が楽しめる。
あ、風呂上がりの生ビールも最高。


温泉で温まったら雪上宴会へ。
これが一番楽しい。

寒くなってきたんでテントに移動してまた宴会。

ジェットボイルのバーナーにホットキャンディヒーターを乗せると
テントの中でちょうどいい暖が取れる。
小さいOD缶で2時間は持ちます。

翌朝、快晴。
5時に起床して6時には出発。

今回はグリベルの12本爪アイゼンの初導入も兼ねた雪山登山。
高次元のグリップを期待します!

スタートは雷鳥沢を登って釼御前小舎を目指しますが、
この出だしが2時間続く結構な急登でいきなり息が切れる。


こんな感じ。
これきついです。

ようやく別山乗越の稜線に到着!
気持ちいい。

釼御前小舎が見えてきた。
ここでトイレ休憩とアイゼンを外す。
ここから先は当分の間夏道となる。

ここまで来ると北側に剣岳が見えてくる。
厳冬期の国内最難関と言われる山だ。
いつか登ってみたいが、今のスキルでは無理。
ここを登るにはダブルアックスやザイルを使いこなせなければ死ぬ場所だ。
最初の計画では剣かなとも思っていたが、実物を見て無理だと直感した。

ここから標高2874mの別山までなだらかな稜線歩きだ。

続いて標高2861mの真砂岳。ここはトラバースして頂上はスルーする。

ここからが今回の核心部となる標高2999mの富士の折立。
岩と残雪がミックスした急登だ。
夏でも滑落事故が多い危険地帯なだけに慎重に。

この先にある残雪上を歩くトラバースがやばかった。
夏道が続いていたのでノーアイゼン。しかもスリップしたら谷底へ落ちる。
登りはまだしも下りは歩きたくないと心底思った。

ようやく危険地帯を抜けて立山の最高峰「大汝山」が見えてきた。

緊張の後に雷鳥と遭遇。
標高2400m以上にしか生息しない鳥。
登山者にしか見れない貴重な鳥だけにシャッターを多めに切ってしまう。

ついに標高3015mの立山最高峰に登頂成功!
日本百名山の一つ。
自分では5座目だ。残り95か~。

巨大な雪庇を横目に標高3003mの雄山へ。
ここが最後のピークだ。

写真の右上にあるのが雄山神社。
日本を作り終えた神が天界に戻る際に踏み台代わりに足をかけて立った山だから立山という説があるらしい。

上高地の山々が見える絶景。

あとは一の越山荘を目指して下山。
この下りが疲れた体にはきつい。
スキー担いで登ってくる強者もいる。

山荘着。
実質ここまでで立山縦走は完了だ。
時間にして8時間、内休憩1時間。
今回は水を500mmしか持っていかずに苦労した。
縦走だと1Lは必要だと痛感。

着くなりポカリを買ってがぶ飲み。

ここからBCまで徒歩1時間30分。
これまた遠いのと退屈な雪道。

ようやく戻ってきた。
達成感と疲労感が混在。
また温泉行って生ビールで乾杯だ。

しかし今回は本当に天候に恵まれた登山だった。
晴天に加えて無風という最高のタイミングに登れたことに感謝だ。
立山。
3000m級でBCには温泉と生ビールがある私好みの山だった。
Thanks Tateyama!!
Posted by チェロキ at 07:00│Comments(0)
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